塩谷町新庁舎・持続可能な未来への一歩
地元SGEC認証林からの木材も使用
塩谷町役場(栃木県)が、2023年11月に新たな姿で完成しました。この新庁舎は、旧玉生中学校跡地に建設され、新庁舎には、SGEC認証林から伐採されたヒノキが一部使用されています。SGEC認証林は持続可能な森林経営の証であり、本プロジェクトはSDGsへの貢献と地域資源の有効活用を象徴しています。
1階中央ホール
SGEC認証林から伐採されたヒノキのシンボルツリー
(左から2本目)
特に注目すべきは、エントランスに設置された約9メートルのヒノキの「シンボルツリー」です。このツリーには、栃木県と国立大学法人宇都宮大学農学部附属船生演習林のSGEC認証林から伐採されたヒノキも使用されています。また、建物の内装にも、地元の木材が豊富に用いられています。延べ床面積4,500平方メートルの新庁舎は、鉄筋コンクリート造と木造の融合で構成されており、建築には約208立方メートルのスギとヒノキ材が使用されています。これらの材料の95%は町有林から伐採されたものです。
このプロジェクトでは、町内で伐採、製材、加工を行う※12社・団体が参加し、塩谷町公共施設木材供給組合を形成しました。これにより、地域経済の活性化とサプライチェーンの最適化が図られています。吹き抜けの天井部分には、逆三角形に接合したヒノキ材のトラス構造が採用されており、長さ約40メートルにわたる船底を思わせるデザインが施されています。
新しい塩谷町役場の完成は、町の象徴としての役割を果たすだけでなく、持続可能な森林管理への取り組みと地域材の活用を通じて、未来への責任ある一歩を示しています。
SGEC認証林から伐採された
地元材を使用した、塩谷町の新庁舎。
サスティナブルな取組に SGEC/PEFCジャパンは期待します
自然光の吹き抜け天井
発注者:栃木県塩谷町 竣工日:2023年9月13日 施 工 :増渕組 渡辺建設 小島土建JV 設計・監理: (株)都市環境建築設計所 SGEC認証材提供:国立大学法人宇都宮大学(SGEC認証取得企業) | 敷地面積:33,980.56 m² 面積:建築面積 3,039.07m² 延床面積 4,469.90m² 構造形式:鉄骨鉄筋コンクリート造 一部木造 施工期間:令和3年10月20日から令和5年9月29日 所在地:栃木県塩谷郡塩谷町大字玉生955番地3 |
※製材加工を行った12社
株式会社渡辺製材所 株式会社福田製材所 有限会社亀田材木店 有限会社八汐木工 | 木工房 玄 株式会社斎藤木工 有限会社斎藤製材所 有限会社マルカワ・ヤマシタ | 塩谷町建築技能組合 たかはら森林組合 倭文林業株式会社 株式会社栃毛木材工業(SGEC認証取得企業) |
■国立大学法人宇都宮大学農学部附属船生演習林について
塩谷町役場シンボルツリーを伐採した林分の3Dモデル画像
<国立大学法人宇都宮大学農学部附属船生演習林>
SGEC認証番号:JAFTA-047
認証林面積538.28ha
樹種:スギ・ヒノキ
認証林所在地:栃木県塩谷郡塩谷町
山林名:船生演習林 塩谷町新庁舎に提供された丸太の対象林は長伐期施業試験林(ヒノキ林齢115年)、単木単位で航空機・ドローン・地上のレーザースキャナによる3次元モデルデータが整備されており5年に一度の毎木計測を50年近く続けている林分。高度なモニタリング・管理を実践している林分となります。