PEFCの使命と展望・歴史

PEFC国際森林認証制度

PEFC森林認証制度相互承認プログラムは、本部をスイス・ジュネーブに置く世界最大の森林認証制度で、厳格な第三者認証の実施を通じて持続可能な森林管理の促進を目指す、独立した非営利NGOです。信頼性に裏付けられた認証基準は、森林がもたらす環境、社会、経済的な恩恵を、私たち全員が地球・国・地域それぞれのレベルで確実に享受することを可能にするための有効な手段です。

PEFCのCoC認証は、持続可能な森林管理の実現を目標に、林産品の供給チェーンに関わりを持つ企業、団体、消費者などすべてのステークホルダーの参画を通して機能するものであり、木材や非木材の林産品が環境、社会、倫理的に最高水準の規格に従って生産されることを確実にするシステムです。またPEFCのロゴラベルを製品につけることで、企業の顧客や消費者はその製品が、持続可能に管理された森林に由来することを知ることができます。

PEFC評議会は、多様なステークホルダーによって、国や地域の社会条件や自然条件を尊重して設立、発展してきた各国の森林認証制度を加盟メンバーとして傘下に置き、これらを世界共通の厳格なPEFC持続可能基準に照らした適合性評価に基づいてこれをた承認する国際森林認証制度PEFCの統括団体です。

PEFCは2024年2月現在、55か国の各国森林認証制度の加盟メンバーとし、そのうち48を「相互承認」しており、それらをベースに世界中の約3億ヘクタールを超える認証森林を有し、世界最大の規模を誇る認証制度となっています。
PEFCに加盟する各国の森林認証制度は、その規格制定の手順、基準、規則などがPEFC独自の世界共通の持続可能性基準に適合していることを確認するための厳格な第三者審査を経て承認されます。
PEFC持続可能性基準は、持続可能な森林経営を促進するために地球規模で合意され国際的に承認された「政府間プロセス基準」およびそのガイドラインをベースとして策定されました。
基準の策定や改正は、社会団体、企業、政府、労働者や研究機関など多様なステークホルダーの参画を通じて、最新の科学的知識、社会的な変化、社会からの期待の進化、および、企業における最適慣習などを考慮した上で実行されます。
現在PEFCは、各国認証管理団体メンバーである55か国の森林認証制度に加えて国際的な活動を展開するNGO、企業、政府や非政府組織なども国際的ステークホルダー会員として多数加盟しています。

PEFCは、家族経営や地域所有の森林など小規模森林所有者が選択する認証制度です
世界の森林の約25%は20億の家族や地域の人々により管理されており、北半球の森林の40%は3千万家族、南半球の25%は地域社会による管理です。
PEFCは、小規模な森林所有者や管理者が、例えば地域認証などのグループ認証という革新的なPEFCの認証メカニズムを活用して、国際市場へのアクセスを獲得することを通じて、生活条件の向上を図り、さらには地域社会の発展のために長期的な貢献ができる様サポートします。
今日までに、数十万という家族・地域所有の森林がPEFCの認証を取得しており、また世界の数多くの公共機関や企業の調達方針にも受け入れられています。

<使命と展望>

PEFC(PEFC森林認証制度相互承認プログラム)は、持続可能な世界のために森林が果たす最大限の貢献の実現するための扉を開き、これを積み上げていくことを確約します。


PEFCのベン・ガニバーグ前CEOは、世界中のPEFCステークホルダーへのメッセージとして、「今日の世界では、気候変動の軽減とその適応および国際連合の提唱による持続可能な開発目標(SDGs)の実現が大きな焦点となっており、それに向けた戦略が喫緊の課題となっております。こうした状況にあって、国連公式指標SDG15「地上資源」の実現に直結する持続可能な森林管理とそれを証明するメカニズムである森林認証はこれまでになく重要な社会的なテーマになっています。」と述べています。

森林は、地球上で最も生物多様性に富み非常に価値があり、その生態系は私たちの生活に幅広い恩恵をもたらしています。例えば、

  • 「供給」面での恩恵:食料、医療品、繊維、バイオマス及び木材、紙などの素材を供給する
  • 「調整」面での恩恵(気候調整を含む):森林は地球の水循環の一つの重要な部分を成しており、 炭素を捕えて蓄積し、そして土壌の浸食を防ぐ
  • 「サポート」面での恩恵:人々や野生動物の住処と避難場所
  • 「文化」面での恩恵:精神・宗教的な恩恵やレクレーションなど社会的な恩恵

森林がなくなると、これらの恩恵の多くは完全に失われ、森に依存して生きている多くの生物種は傷つき、消滅してしまうでしょう。世界では推定16億人という人々がその生活の糧を森に依存しており、さらに重要なことは、森林関連産業が世界経済の重要な部分を構成していることです。


それにもかかわらず、森林は最も傷つきやすい生態系のひとつです。その景観は、農業や鉱業への林地転換、開発や都市の拡大、持続不可能な森林施業や違法伐採などの脅威に晒されています。森林が、それに依存する人々や自然にあらゆる利益を提供し続けてくれるためには、それらは保全され、持続可能に管理される必要があります。PEFCは、森林の持続可能な管理の促進を約束します。

「持続可能な森林管理 に関するPEFCの理解は、国連食糧農業機構(FAO)が採択し、元来フォレスト・ヨーロッパ(Forest Europe)が策定した定義を基にしています。すなわち、持続可能な森林管理とは「森林や林地の管理および使用であり、森林の生物多様性、生産性、再生能力、生命力および森林が地域、国そして地球レベルで、現在および将来に渡って潜在的に満たす環境、経済、そして社会的機能的を維持するに相応しい方法とペースで、他の生態系にいかなる損害を生じることなく行うもの」です。

この定義のもとで持続可能性を達成するために、森林管理は以下の成果をもたらされなければなりません;

  • 経済的に実行可能であること
  • 環境的に健全であること
  • 社会的に正当であること

この3本の柱は不可分であり、それぞれを個別に取り組むべきものではありません。これらすべてがなければ森林は守られず、家族経営の林家は繁栄せず、森林に依存している地域社会は存続できず、違法伐採は減らず、炭素排出量の最小化も実現しません。
森林認証はこれらに対処し、市場に出回る木材、林産品、紙製品が持続可能に管理された森林に由来するものであることを確実にするメカニズムを提供するものです。

PEFCは、森林認証を奨励していくことでこの使命を遂行していきます。
しかしながら、重要なことは、「森林や生活を森林に依存している地域社会の多様性」の保全が、「唯一の汎用規格」でこれらすべてを解決することは不可能であることであり、PEFCはこれを強く認識しています。
さらに言えることは、すべての関係者(ステークホルダー)が持続可能な管理方針の制定と実施に関与しない限り、持続可能な森林管理は達成できません。

故に、PEFCは、森林地域の地元の様々な社会や自然条件を尊重しかつ幅広いステークホルダーが関与する各国独自の森林認証制度との協同と連帯を通じて、持続可能に調達された製品を市場に届けることに努めています。

<歴史>

森林認証制度は、世界の森林の保全に関する懸念への対処法として立ち上がり,「持続可能な開発」を人類発展の共通ゴールと定めた1992年の国連リオ地球サミットの成果として結実しました。


PEFC森林認証制度相互承認プログラムは、小規模林家や家族経営の林家からの認証参加への要望に応えるため、独立した審査を通じて各国の森林認証制度の承認を実行する新しいビジネスモデルに立脚した 国際統括組織として、1999年6月に欧州11カ国の森林認証制度の代表によりパリで発足しました。
発足以来、PEFCは一方ではそれぞれの国の政治、経済、環境、文化的な実情を反映しつつ、かつ、他方では国際的に認められている要求事項を満たすことで、国際的な認知を受ける各国独自の森林認証の策定を可能にするメカニズムの必要性に応えてきました。
ヨーロッパにおける拡大に続き、2004年にはオーストラリアやチリなどヨーロッパ圏以外の国へと拡大、加盟国はその後も北米、アジア、南米などからの増加を続け、現在では、世界最大の規模を誇る、中小規模で経営する林家が選ぶ森林認証制度になり、世界の何百何千という森林所有者がPEFCの認証を受けています。

<年表>

出来事
1999欧州11か国において特に小規模森林管理者に適した持続続可能な森林管理を促進するための組織が地元の幅広いステークホルダーによって設立され、その組織の代表者によりPEFCが設立された。
2000フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ及びオーストリアの森林認証制度を承認。これにより上記の国の認証制度が自国の責任ある森林管理施業を認証することが可能になった。
2001林業活動の一部に社会的な問題を組み込むため、PEFCは、森林管理においてすべてのILO基本条約の順守を要求する 最初の国際森林認証制度となった。
2003アジア初のPEFCプロモーション事務所として、PEFCアジアプロモーションズが東京に開設。
2007PEFCの認証林面積が2億ヘクタールを超え、これにより世界の認証森林の2/3がPEFC認証となった。
2004オーストラリアとチリの森林認証制度が非ヨーロッパ圏として初のPEFC承認。
2005カナダの森林認証制度がPEFCの承認を受け、PEFCは1億ヘクタールの森林を認証する世界最大の森林認証制度となった。
2007PEFCの認証林面積が2億ヘクタールを超え、これにより世界の認証森林の2/3がPEFC認証となった。
2008本部をルクセンブルグからスイスのジュネーブに移転。国連、国際NGO、その他の団体等とのコンタクトの緊密化を図る。
2009ガボンの認証制度がアフリカで、また熱帯林としても初のPEFC承認を得た。
2010CoC規格の中に林業従事者の安全、保健、諸権利など社会的な要素に関する要求事項が盛り込まれ、PEFCはこれらを要求事項に含む最初の国際森林認証制度となった。
2011中国(CFCC)がPEFCに加盟。
持続可能な森林管理を通じた地域社会の発展をサポートするための小規模森林助成プログラムであるコラボレーションファンド開始。
2012会長ウィリアム・ストリートが人権に対するエレノア・ルーズベルト賞を受賞した。
2013PEFCは、CoC規格が「欧州木材規制EUTR」と協調する最初の認証制度となった
2014日本の認証制度(SGEC)がPEFCに加盟。
2016日本の認証制度(SGEC)がPEFCの承認を取得。
2017Peter LathamがPEFC会長に就任。
2018PEFCアジアプロモーションズがその使命を終え閉鎖、SGEC/PEFCジャパンが誕生、活動開始。 PEFCは発足以来、ISO国際規格に準拠するなど独自のアプローチ法の充実強化を推し進めてきました。その後も、そのアプローチ法を選択するステークホルダーは増え続けており、そのサポートを得て、今日、PEFCは世界最大の森林認証制度になりました。